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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科34巻2号

1980年02月発行

文献概要

特集 第33回日本臨床眼科学会講演集 (その1) 学会原著

螢光網膜電図(Fluorescein ERG)その原理と臨床的応用

著者: 玉井信1 松谷千鶴1 清沢源弘1 水野勝義1

所属機関: 1東北大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.215 - P.222

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 BRBの機能異常ないし破壊の存在およびその程度を知る目的でF注入前後の励起光(480nm)による網膜電図を記録した。
 (1)正常者群は注入後10分間その大きさに変化はみられなかつた。老人性白内障を伴う群では5分後に有意に増大したF-ERGが記録された。
 (2)前網膜症期にある糖尿病患者ではF−注入直後より0.1%の危険率で有意に増大したF−ERGが記録され,1分,2分,3分,10分後でも増強されていた。
 (3)単純網膜症を伴う糖尿病患者では10分後に増殖性網膜症を伴う群では5分,10分後に有意差のあるF-ERGが記録された。
 (4)網膜色素変性症群ではF注入2分,5分,10分で有意差のあるF-ERGが記録された。
 (5)原田病患者では5分後のF-ERGが有意に増強されていた。
 以上の結果より糖尿病患者では網膜症の発現する以前からBRBが機能不全に陥つていること。また上記の種々の疾患で同様にBRBの破壊が存在することがERGを介して証明された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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