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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科34巻2号

1980年02月発行

文献概要

特集 第33回日本臨床眼科学会講演集 (その1) 学会原著

ERG・c波の明,暗順応による波形変動

著者: 笹森秀文1

所属機関: 1岩手医科大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.223 - P.231

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 正常人眼のERG・c波について,種々の記録条件下で,最も良好な波形を得る条件を探索すること,ならびに明,暗両順応下におけるc波の動態の観察を試み,以下の特性が明らかとなつた。
 (1)十分に安定したc波を記録するためには,前明順応照度1,000lux,前明順応時間5分,前暗順応時間30秒以上,刺激持続時間10秒以上,刺激強度50luxの条件が適当であつた。
 (2)暗順応過程におけるc波振幅の変動経過は,前明順応照度によつて影響され,前明順応照度が1,000luxの場合は暗順応開始後11〜13分に最低値を持つ谷型の変動経過を示し,前明順応が10luxの場合には,c波振幅は暗順応が経過するとともに直線的に増大した。
 (3)明順応過程におけるc波振幅の変動は,前明順応照度(1,000,あるいは10lux),明順応照度(10,100,あるいは300lux),さらには刺激強度(5,あるいは50lux)のいずれの条件によつても左右されず,約7分にピークを形成する山型の経過を示した。
 (4)前明順応1,000lux,前明順応時間5分,刺激光強度50lux,明順応照度5luxの記録条件でのc波振幅の変動経過は,EOG曲線に極めて類以した経過を示した。
 (5)正常眼であれば,前明順応照度1,000lux前明順応時間5分,刺激光強度50lux,明順応照度5luxを用いれば,何らかのc波振幅が明,暗順応経過中に,検出可能であつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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