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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科34巻2号

1980年02月発行

文献概要

臨床報告

日本人の螢光虹彩血管造影について—Ⅱ.家兎および日本人の虹彩色素と虹彩血管造影の関係

著者: 海野さち子1

所属機関: 1日本医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.243 - P.246

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 健康な家兎において,螢光虹彩血管造影を行い,虹彩の色調と造影の程度を比較した。続いて組織学的に検討し,次のような結論を得た。
 (1)白色家兎では鮮明な虹彩血管の螢光像を得ることができた。虹彩組織はどの部分にも虹彩色素を認めなかつた。
 (2)灰白色の虹彩では鮮明な螢光像を得たが,組織標本では,前境界層には虹彩色素を認めず,虹彩色素上皮には多量の虹彩色素を認めた。
 (3)茶色の縞状の虹彩では,茶色の濃淡に相当して螢光像も縞状に鮮明な部分と不鮮明な部分が見られ,組織は,前境界層,基質,色素上皮層に多量の虹彩色素が見られた。
 (4)褐色の虹彩では虹彩血管の螢光像は認められず,点線状に漏出するのが観察された。組織は前境界層,基質,色素上皮層に虹彩色素が多量に認められた。
 (5)どの色調の虹彩も,組織学的な基本構造には差がなく,虹彩色素の存在する部位と量にちがいがあるのであり,これにより,螢光虹彩血管造影法による虹彩血管の造影の程度が決定されることがわかつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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