文献詳細
特集 第33回日本臨床眼科学会講演集 (その2)
学会原著
文献概要
自覚的には視力障害,強度色覚障害,羞明,眼振それに夜盲を訴える同胞とその家系が調べられた。この同胞の錐体と杆体視路の異常はどちらもERGの錐体と杆体要素に強い障害がみられたことから,ERGに関与する網膜の視路に少なくとも異常があることが証明された。7年以上の経過観察で全く視機能は低下することはなく,また同一家系にみられた高齢者に同じ自覚症状を持つ者が2名あり,生涯眼症状が停止性であつたことより,本症は停止性疾患と考えられる。本症ではEOGと眼底,螢光眼底所見はほぼ正常であり無色素性網膜色素変性とは明瞭に区別される。EERにあまり異常がなかつたことより視神経機能の障害はあまりないことが証明された。
同一家系にみられた異常者4名が自覚的には極めて類似した症状を呈したことから,本症は停止性夜盲と全色盲が偶然に合併したとは考えられず一つの症候群と考えられる。
同一家系にみられた異常者4名が自覚的には極めて類似した症状を呈したことから,本症は停止性夜盲と全色盲が偶然に合併したとは考えられず一つの症候群と考えられる。
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