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臨床報告
Cockayne症候群の家族例について
著者: 小森敏郎1 申京煥1
所属機関: 1岐阜大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.403 - P.409
文献購入ページに移動 健康な血族結婚のない両親より出生した3人の子供のうち長男(6歳10カ月),三男(2歳6カ月)にみられたCackayne症候群を報告した。
長男は全身的にも眼科的にも本症候群の主要症状をほぼ全て満した定型例であり,三男はなお年齢的に幼少のためか部分症を示すものであつた。
内外の文献より58例を集めこれにわれわれの2症例を加えて本症候群を分析したところ,その発現は約2歳でこの年齢を過ぎた頃より全身的な退行変性が始まり,7〜8歳にはほぼ症状が完成することが示された。性別では男子に比較的多かつた。ただし症状のうちのいくつかはその出現の遅れがあり,60症例中には眼症状を欠くものもある。
また,眼では網膜変性と視神経萎縮がほぼ必発の症状となつているが,後者が前者に継発するものであることはわれわれの幼若な症例2ではなお前者のみであるのに少年期となつた症例1では両者を完備していた点より立証された。
家族発生の頻度が高く,多くは両親が健常なことから本症候群は常染色体性劣性遺伝疾患とするのが妥当であろうと考えられた。
長男は全身的にも眼科的にも本症候群の主要症状をほぼ全て満した定型例であり,三男はなお年齢的に幼少のためか部分症を示すものであつた。
内外の文献より58例を集めこれにわれわれの2症例を加えて本症候群を分析したところ,その発現は約2歳でこの年齢を過ぎた頃より全身的な退行変性が始まり,7〜8歳にはほぼ症状が完成することが示された。性別では男子に比較的多かつた。ただし症状のうちのいくつかはその出現の遅れがあり,60症例中には眼症状を欠くものもある。
また,眼では網膜変性と視神経萎縮がほぼ必発の症状となつているが,後者が前者に継発するものであることはわれわれの幼若な症例2ではなお前者のみであるのに少年期となつた症例1では両者を完備していた点より立証された。
家族発生の頻度が高く,多くは両親が健常なことから本症候群は常染色体性劣性遺伝疾患とするのが妥当であろうと考えられた。
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