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特集 第33回日本臨床眼科学会講演集 (その3) 学会原著
牛眼の長期予後—(その1)視力予後に影響を及ぼす諸因子について
著者: 早川むつ子1
所属機関: 1順天堂大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.533 - P.541
文献購入ページに移動 1)過去11年間に当科で手術を受けた3歳以前発症の原発性先天性緑内障患者46例,75眼を対象に,長期予後に影響する諸因子,予後改善の余地について検討した。
2)眼圧コントロールが確認されたのは75眼のうち61眼81%である。
3)全体の視力結果は,0.1未満が45.3%,0.4以上が38.7%である。また継続した経過観察と治療で,眼圧コントロールに成功した眼では,視力0.4以上は50.9%,0.1未満は35.1%である。
4)視力と発症時期,手術までの期間,手術回数の問にそれぞれ統計学的に有意な相関関係が認められた。また発症時期と発症から手術までの期間の間にも有意な相関関係が認められた。
5)屈折状態では,高度な近視および近視性乱視が増加し,直乱視が減って倒乱視,斜乱視が増加していた。
6)予後改善のためには早期発見,早期治療に加え,長期的,定期的な経過観察を行なって適切な処置を追加することが重要である。
7)視神経萎縮や重篤な合併症,光学部にかかる角膜障害を免れた眼では,早期の屈折矯正と弱視予防により視力改善の可能性があると推測された。
2)眼圧コントロールが確認されたのは75眼のうち61眼81%である。
3)全体の視力結果は,0.1未満が45.3%,0.4以上が38.7%である。また継続した経過観察と治療で,眼圧コントロールに成功した眼では,視力0.4以上は50.9%,0.1未満は35.1%である。
4)視力と発症時期,手術までの期間,手術回数の問にそれぞれ統計学的に有意な相関関係が認められた。また発症時期と発症から手術までの期間の間にも有意な相関関係が認められた。
5)屈折状態では,高度な近視および近視性乱視が増加し,直乱視が減って倒乱視,斜乱視が増加していた。
6)予後改善のためには早期発見,早期治療に加え,長期的,定期的な経過観察を行なって適切な処置を追加することが重要である。
7)視神経萎縮や重篤な合併症,光学部にかかる角膜障害を免れた眼では,早期の屈折矯正と弱視予防により視力改善の可能性があると推測された。
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