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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科34巻4号

1980年04月発行

特集 第33回日本臨床眼科学会講演集 (その3)

学会原著

急性期血管新生緑内障(neovascular glaucoma)の治療

著者: 内野允1 清水昊幸1

所属機関: 1自治医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.542 - P.548

文献概要

 隅角閉塞の軽度なneovascular glaucomaを2症例経験した。第1例は,糖尿病のコントロール不良で,片眼は糖尿病性網膜症の増殖性変化が強くほぼ失明状態であり,健眼にneovascular gla-ucomaを発症した。日々に症状は増悪し,内服薬,点眼薬ではコントロールができない状態となり,止むを得ず網膜周辺部冷凍凝固術を行ったところ著明な眼圧の下降をみた。更に後日汎網膜光凝固術を追加して1.2の視力を保っている。第2例は,一眼は視神経萎縮で手動弁,他眼は原因不明の硝子体出血で6ヵ月前より手動弁であった。vitrectomyを行なって視力がでてきたが術後13日目にneovascular glaucomaを発症した。内服薬,点眼薬で眼圧の降下を計っていたがrubeosisは増強するので,第1例と同様に周辺部網膜冷凍凝固術を行なった。術後経過は順調で0.5の視力を維持している。
 まだ隅角閉塞の完成されていない上記のような時期では,適当な治療により眼圧上昇をコントロールすることができる可能性があり,neovas-cular glaucomaの急性期と考えた。眼圧上昇はrubeosisによる房水産生量の増大とplasmoidaqueousが主因と考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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