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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科34巻5号

1980年05月発行

文献概要

特集 第33回日本臨床眼科学会講演集 (その4) 学会原著

Neovascular maculopathyの臨床(第1報)—老人性ならびに若年性円盤状黄斑変性症について

著者: 出口強1 石川清1

所属機関: 1千葉大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.677 - P.689

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 (1) Neovascular maculopathy (老人性円盤状黄斑変性症ならびに滲出性中心性網脈絡膜症)の活動期病変は,検眼鏡所見ならびに螢光眼底造影所見より,次の3型に大別された。
 Ⅰ型:網膜下の滲出・出血を主病像とする型
 Ⅱ型:網膜色素上皮剥離を主病像とする型
 Ⅲ型:網膜色素上皮下脈絡膜新生血管膜を主病像とする型
 (2)長期間の臨床経過を観察できた滲出性中心性網脈絡膜症では,60%は脈絡膜新生血管膜の退縮・瘢痕化に至り,軽度の瘢痕と周囲の色素上皮の萎縮を残したが,良好な視力を回復した。40%は新生血管膜の増大と,それによる滲出が遷延化し,若年性円盤状黄斑変性症とでもいえる病像を呈し,ついには,より大きな網脈絡膜変性巣を残し,高度の視力障害を残した。
 (3)その他の所見として,老人性円盤状黄斑変性症では,黄斑部ドルーゼ様変化または網膜色素上皮の変性萎縮像を呈していた例は,患眼では50%,fellow eyeでは52%にみられた。
 滲出性中心性網脈絡膜症の患眼においては,小円形網脈絡膜萎縮巣を伴っていた例は35.3%にみられ,近視眼が88.2%の高率に含まれていた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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