臨床眼科34巻5号

1980年05月発行

特集 第33回日本臨床眼科学会講演集　（その4） 学会原著

Cherry-red spot-myoclonus syndromeと思われる1例の光学および電子顕微鏡的観察

著者： 土屋清一¹ 和田真知子¹ 木村肇二郎¹ 植村恭夫¹ 鈴木裕²

所属機関： ¹慶応義塾大学医学部眼科学教室 ²慶応義塾大学医学部病理学教室

ページ範囲：P.703 - P.708

　Cherry-red spot-myoclonus syndrome （siali-dosis type 1）と思われる12歳男子の網膜の光学および電子顕微鏡的観察を行った。その結果，ガングリオン細胞およびアマクリン細胞の細胞質内に，燐脂質，糖脂質，ムコ多糖などの貯溜を認めた。霜子顕微鏡的には，ガングリオン細胞の細胞質内に，1枚の限界膜で囲まれ，不規則なうず巻状の膜様構造を有する円形ないし楕円形の小体を多数認め，これらはLYLB，MVB，PLB，MCBなどと非常に関連深いものであろうと考えた。