文献詳細
特集 第33回日本臨床眼科学会講演集 (その4)
学会原著
アレルギー性結膜炎の病態
著者: 多田玲1 湯浅武之助1 下村嘉一1 中川やよい2 中村芳子2
所属機関: 1大阪府立羽曳野病院 2大阪逓信病院
ページ範囲:P.709 - P.714
文献概要
(2)初診月別来院患者数は,3〜5月の春8〜9月の夏〜秋へかけてが多かった。結膜花粉症患者は133例中65例にみられ,同様に春と夏〜秋が多かった。
(3)初診時に他覚所見を有していた症例は70.3%であり,結膜分泌物中好酸球の出現頻度は56.9%であった。
(4)血清IgEは高値を,涙液IgEはやや高値を示した。結膜花粉症の血清IgEはその他のアレルギー性結膜炎に比し有意に低値を示した。
(5)合併症の頻度はアレルギー性鼻炎>アトピー性皮膚炎>喘息の順であった。
(6)皮内反応ではハウスダストが78.1%と高い陽性率であった。また花粉は67.2%,真菌は41.4%であった。
各症例別皮内反応の結果では,ハウスダスト,花紛,真菌など同種抗原にのみ陽性を示す症例の頻度は低く,多反応型を示す例の多いことがわかった。
(7)皮内反応,血清RASTと症状の季節性について検討したところ,通年性ではハウスダスト,真菌が,季節性を有するものでは,花粉の陽性率およびRAST scoreが高かった。
掲載誌情報