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臨床報告
虚血性視神経症—26例の解析
著者: 下奥仁1 宮崎茂雄1
所属機関: 1兵庫医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.757 - P.763
文献購入ページに移動 (1) IONと考えられた26例33眼について考察を行なった。
(2) IONは,篩状板近傍に病変があるante-rior type (AION)と,より後方の視交叉に至るまでの部位で発症したposterior type (PION)とに区別することができ,特に後者の診断では,視神経の炎症・腫瘍などによる圧迫性病変・中毒・脱髄・遺伝性疾患等を除外する必要がある。
(3) IONの合併疾患としては,高血圧症,動脈硬化症が多く認められ,血中脂質成分の増加をみることが多かった。側頭動脈炎を疑われた症例はなかった。
(4)予後は必ずしも悪くなく,発症早期よりステロイド剤を中心とした治療を行うことで,視力・視野の何らかの改善を期待することができる。
(2) IONは,篩状板近傍に病変があるante-rior type (AION)と,より後方の視交叉に至るまでの部位で発症したposterior type (PION)とに区別することができ,特に後者の診断では,視神経の炎症・腫瘍などによる圧迫性病変・中毒・脱髄・遺伝性疾患等を除外する必要がある。
(3) IONの合併疾患としては,高血圧症,動脈硬化症が多く認められ,血中脂質成分の増加をみることが多かった。側頭動脈炎を疑われた症例はなかった。
(4)予後は必ずしも悪くなく,発症早期よりステロイド剤を中心とした治療を行うことで,視力・視野の何らかの改善を期待することができる。
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