icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科34巻6号

1980年06月発行

特集 第33回日本臨床眼科学会講演集 (その5)

学会原著

外斜視のMaster eye手術効果について

著者: 赤沢和美1 大賀真理子1 増田勝子1 三井幸彦1

所属機関: 1徳島大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.839 - P.844

文献概要

 外斜患者でMF現象のおこる者,またはこの現象がおこらなくとも筋電図を検査してSlaveeyeの外直筋に異常放電があるか(PF型),または内直筋のTonusが異常に低下している者(NF型)では,Master eyeを手術すると卓抜した効果がある。実際間題として外斜患者の少なくとも90〜95%はこの種のものであることが推定される。したがって日常の臨床ではDominant eyeが決定できれば筋電図の検査は省略しても大過ないと思う。
 手術は斜視角の小さい者では,Master eyeの内直筋短縮のみでよく,斜視角の大きい者では内直筋短縮と外直筋後転とを同時に実施することが望ましい。手術量は斜視角から算定した量がかなり正確に再現性がある。
 手術48時間後において正位または2°以内の外斜位になった者は,1〜3カ月後の検査で正位(または検査によって見つけうる程度の軽微な外斜位で,実質的に正位と見なしうる)を保ち,その効果は安定して持続される。定量手術によって約60%の者はこの範囲に入り,過矯正の補正を加えると約75%が正位になる。
 過矯正は極めて軽微(手術翌日5mで同側性1°の複視)なものを除いて禁忌であり,障害を残すおそれが大きい。それで手術の翌日補正する必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら