文献詳細
特集 第33回日本臨床眼科学会講演集 (その5)
学会原著
外斜視のMaster eye手術効果について
著者: 赤沢和美1 大賀真理子1 増田勝子1 三井幸彦1
所属機関: 1徳島大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.839 - P.844
文献概要
手術は斜視角の小さい者では,Master eyeの内直筋短縮のみでよく,斜視角の大きい者では内直筋短縮と外直筋後転とを同時に実施することが望ましい。手術量は斜視角から算定した量がかなり正確に再現性がある。
手術48時間後において正位または2°以内の外斜位になった者は,1〜3カ月後の検査で正位(または検査によって見つけうる程度の軽微な外斜位で,実質的に正位と見なしうる)を保ち,その効果は安定して持続される。定量手術によって約60%の者はこの範囲に入り,過矯正の補正を加えると約75%が正位になる。
過矯正は極めて軽微(手術翌日5mで同側性1°の複視)なものを除いて禁忌であり,障害を残すおそれが大きい。それで手術の翌日補正する必要がある。
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