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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科34巻6号

1980年06月発行

文献概要

臨床報告

外傷性三角症候群

著者: 林倫子1 三木正毅1 近藤武久1

所属機関: 1神戸中央市民病院眼科

ページ範囲:P.891 - P.895

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 外傷性三角症候群の症例6例につき,眼底所見,螢光眼底所見を経時的に観察し,下の以知見を得た。
 (1)6症例全例が,後極部,乳頭に接した部に網脈絡膜萎縮をきたし,この病巣部は,外傷性三角症候群の特徴と考えられる。
 (2)6症例中2例に脈絡膜血管由来の網膜下新生血管の発現をみた。うち1例は,新生血管がfoveaに向い拡大し重篤な視力障害を残した。
 (3)6症例中3例に,網脈絡膜萎縮巣に隣接する部の網膜血管透過性亢進が認められた。このような症例の病巣部では,網膜静脈の閉塞,網膜毛細血管板の破壊が認められた。
 (4)受傷後,長期にわたる経過観察により,二,三の所見の早期発見と,適切な処置を行うことが大切である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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