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特集 第33回日本臨床眼科学会講演集 (その6) 学会原著
網膜静脈枝閉塞症に対するargon laser光凝固治療
著者: 戸張幾生1
所属機関: 1東京都養育院付属病院眼科
ページ範囲:P.937 - P.945
文献購入ページに移動 綱膜静脈枝閉塞症237眼にargon laser光凝固治療を行った。237眼のうち87眼は,xenon光凝固治療を併用した。
光凝固の適応を黄斑部に浮腫の存在する185眼と,網膜血管新生のある52眼とした。237眼のargon laser光凝固治療の結果,以下の結論を得た。
(1)年齢による視力の改善は,60歳以下の症例ほど60歳以上の症例に比較して,良好であった。
(2)発症より光凝固治療までの期間については,3カ月以内に治療した症例は,4カ月以上の症例に比較して,術後の視力の改善が良好であった。
(3)黄斑部毛細血管網の障害のあるものおよび黄斑部嚢腫を形成しているものは,術後の視力の改善がきわめて悪く,20%にやや改善がみられたのみで,大部分は不変ないし悪化した。
(4) argon laser単独使用の150眼のうち,137眼の最終視力は,0.6以上が62%であったが,黄斑部の血管障害,黄斑部嚢腫状変化の症例の多いxenonとの併用例87眼のうち84眼の最終視力は,0.6以上は34.5%にすぎなかった。
(5)52眼の血管新生症例のうち8眼は視神経乳頭部より発症した。また,治療した52眼の18%は,術後硝子体出血の再発がみられ視力の低下を来した。
光凝固の適応を黄斑部に浮腫の存在する185眼と,網膜血管新生のある52眼とした。237眼のargon laser光凝固治療の結果,以下の結論を得た。
(1)年齢による視力の改善は,60歳以下の症例ほど60歳以上の症例に比較して,良好であった。
(2)発症より光凝固治療までの期間については,3カ月以内に治療した症例は,4カ月以上の症例に比較して,術後の視力の改善が良好であった。
(3)黄斑部毛細血管網の障害のあるものおよび黄斑部嚢腫を形成しているものは,術後の視力の改善がきわめて悪く,20%にやや改善がみられたのみで,大部分は不変ないし悪化した。
(4) argon laser単独使用の150眼のうち,137眼の最終視力は,0.6以上が62%であったが,黄斑部の血管障害,黄斑部嚢腫状変化の症例の多いxenonとの併用例87眼のうち84眼の最終視力は,0.6以上は34.5%にすぎなかった。
(5)52眼の血管新生症例のうち8眼は視神経乳頭部より発症した。また,治療した52眼の18%は,術後硝子体出血の再発がみられ視力の低下を来した。
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