文献詳細
文献概要
特集 第33回日本臨床眼科学会講演集 (その6) 学会原著
白内障手術患者における糖負荷後の房水グルコース量の変動について
著者: 藤原隆明1 尾羽沢大1 三国郁夫1 長尾玉子1 佐藤薫1 和田真知子1
所属機関: 1東海大学医学部眼科
ページ範囲:P.975 - P.983
文献購入ページに移動1)空腹時血清値は,糖尿病性白内障眼ではGlu-coseが正常値より高かった。その他は全て正常範囲にあるが,白内障眼ではNa・Total protein・Albumin・T-cholesterolが正常眼に比してやや高く,老人性白内障ではUric acidが他群に比しやや高かった。またPは白内障群でやや低かった。
2)空腹時房水値は,糖尿病性白内障眼でGlu-cose・Uric acidが他群に比し高く,Naが正常眼および糖尿病性白内障眼で老人性白内障眼より低かつた。
3)空腹時のいわばsteady stateにおいてRasは,Glucoseの場合正常眼で0.5,糖尿病性白内障眼で0.8以上で,老人性白内障眼はこの中間にあった。Uric acidは糖尿病で最も高かった。
4)上記の老人性白内障眼のGlucoseのsteadystate Rasは加齢とともに上昇し糖尿病性白内障眼のそれに近づくものであることが再確認されたた。
5)老人性白内障のべ34眼・糖尿病性白内障8眼にたいし経口的糖負荷を行った。非糖尿病性老人性白内障眼患者においては70歳代・80歳代は60歳代以下に比して血糖値上昇がより著しく,その後の下降もより遅延する傾向が認められた。
掲載誌情報