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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科34巻7号

1980年07月発行

文献概要

特集 第33回日本臨床眼科学会講演集 (その6) 学会原著

白内障嚢内摘出術と超音波吸引術における手術成績の比較検討について

著者: 馬嶋慶直1 江崎淳次1 野川秀利1

所属機関: 1名古屋保健衛生大学医学部眼科

ページ範囲:P.985 - P.991

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 (1) ICCE, KPEで手術を行った各300眼は,平均年齢ICCE 71.1歳,KPE 58.4歳で後者が12.7歳若かった。
 (2)術前視力は,ICCEに比しKPEは0.1〜0.01に多く術後視力0.5以上を得た症例はICCE66.0%, KPE 88.7%で後者に多かった。
 (3)同一症例において片眼ICCE,片眼KPEを行った70例140眼では,術後視力0.5以上得たものは,ICCE 85.7%,KPE 82.9%でほぼ同様の傾向を示した。
 (4)術後角膜乱視の発生は,ICCE 1.18D,KPE 0.41Dと後著に有意に小さかった。
 (5)平均cell density平均cell面積拡大率はICCEに比し,KPEが軽度である。ただし超音波使用時間2分以上の例および高齢者の例では両者において差を認めなかった。
 これらのことより従来の白内障摘出術に比し損色のない術式と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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