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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科34巻7号

1980年07月発行

文献概要

特集 第33回日本臨床眼科学会講演集 (その6) 学会原著

ベーチェット病の治療

著者: 小暮美津子1 大野弓子1 島川真知子1

所属機関: 1東京女子医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1017 - P.1024

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 40歳未満,眼発症者で眼底病変を有するベーチェット病患者を治療薬別に,ステロイド剤内服群,免疫抑制剤内服群,コルヒチン・免疫抑制剤併用群,コルヒチン内服群の4群に分け,その効果を各種基準を設けて比較検討し,次の結論を得た。
 (1)眼再発総数の減少は,コルヒチン内服群で最も多く,以下免疫抑制剤・コルヒチン併用群,免疫抑制剤内服群,ステロイド剤内服群の順であった。治療後に再発総数の増加例の最も多かったのは,ステロイド剤内服群で,次が免疫抑制剤内服群であった。
 (2)再発の部位別検討においても,ステロイド剤内服群は他の3群にくらべ,前眼部型,眼底型発作数ともに著しく多く,特に前房蓄膿性虹彩炎の再発数が多かった。
 (3)4群の治療開始1年半後の視力保全はコルヒチン内服群で最も良好で,次に免疫抑制剤・コルヒチン併用群,免疫抑制剤内服群の順であった。視力低下例の最も多かったのは,ステロイド剤内服群であった。
 (4)ステロイド剤内服群と非内服群の2群に大別し,眼発症3年後,5年後の視力を比較すると,後者の視力予後は3年後,5年後ともに前者にくらべ著しく良好であった。またステロイド剤内服群では,5年後の視力が3年後にくらべ有意に低下していた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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