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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科34巻7号

1980年07月発行

文献概要

特集 第33回日本臨床眼科学会講演集 (その6) 学会原著

陳旧性硝子体出血に対するウロキナーゼ硝子体内注入療法

著者: 沖坂重邦1 杉町剛美2 石田誠夫1 百瀬隆行1 武谷ピニロピ2 樋渡正五1

所属機関: 1防衛医科大学校眼科学教室 2武谷病院眼科

ページ範囲:P.1025 - P.1030

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 高度の硝子体出血があり,8〜78カ月の非観血的治療にもかかわらず,一向に吸収の兆のみられない9例9眼に,フィブリン溶解酵素活性化剤であるウロキナーゼ24,000国際単位を前房水に溶解し,毛様体扁平部より硝子体内に注入した。
 硝子体混濁のほぼ完全に吸収されたもの5例,かなり吸収されたが一部に混濁の残っているもの3例,変化のみられなかったもの1例であった。術後の視力改善は著効5例,有効1例,あまり効果の認められなかったもの3例であった。
 ウロキナーゼ硝子体内注入により前房蓄膿を伴うぶどう膜炎を7例に惹起したが,術後2〜3週間後にはほぼ消退した。しかし術後3カ月目に膨隆虹彩を伴う続発性緑内障を惹起し,虹彩切除術を行った1症例を経験した。術後合併症を考慮しても,陳旧性硝子体出血に対してウロキナーゼ硝子体内注入を第1選択とし,それで効果のみられなかったものに対して,硝子体切除術を試みるべきと考える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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