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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科34巻7号

1980年07月発行

文献概要

特集 第33回日本臨床眼科学会講演集 (その6) 学会原著

超音波診断による硝子体出血の形態と疾患との関係について

著者: 竹内忍1 加藤秋成1 太田陽一1 箕田健生2

所属機関: 1東京厚生年金病院眼科 2東京大学医学部分院眼科

ページ範囲:P.1067 - P.1074

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 さまざまな原因によって硝子体出血をきたした135眼に超音波診断を試み,硝子体出血の形態と疾患との関係について検討を加え次の結果を得た。
 (1)出血エコー像より硝子体出血の形態をびまん性型出血,塊状型出血,弧状型(完全後硝子体剥離型)出血,漏斗状型(不完全後硝子体剥離型)出血の4型に分類した。
 (2)糖尿病性網膜症とEales病では,80%が漏斗状型出血の形態を示し,静脈閉塞症,高血圧では75%がびまん性および弧状型出血であった。
 (3)外傷では塊状型出血(60%),Terson症候群では漏斗状型出血し(60%)が多く認められ,裂孔原性網膜剥離ではびまん性型出血と弧状型出血の形態を示した。
 (4)硝子体手術においては,漏斗状型出血では増殖性変化や網膜剥離の合併が多く手術が困難なのに対し,びまん性型および弧状型出血では手術が容易であり,視力の予後も良いと思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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