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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科34巻7号

1980年07月発行

文献概要

臨床報告

涙嚢鼻腔吻合術—その2 545例の病態と解剖学的個人差の分析

著者: 山崎守成1

所属機関: 1順天堂大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1093 - P.1098

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 DCR 545例の経験から慢性涙嚢炎の病態を観察すると,1)女性特有の疾病で30歳台より多く発生,2)原因はほとんど不明,3)男性に於ては鼻科手術後遺症が特異な原因としてあげられる。以上から慢性涙嚢炎は将来減少するとは考えられず,また,現在でも眼科医がこのDCRに無理解のためか,放置されている例も多く,これが角膜損傷の際の匐行性角膜潰瘍の素因となるから,臨床的にDCRは重要な治療技術の一つとしてあげられる。積極的にDCRを普及させるには手術術式をより容易,安全,確実な法に改良することはもちろんだが,1)涙嚢鼻腔相互の解剖学的個人差を的確に把握し,2)特殊な涙嚢炎すなわち急性涙嚢炎,外傷性,鼻手術後遺性涙嚢炎の特異性を知ることも重要である。以上の要点を知り,経験と手術術式に馴れればDCRは1時間以内に完成する外来手術であって長い間流涙と膿漏に苦しんだ患者も1週間の通院で完治できることを強調したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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