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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科34巻8号

1980年08月発行

臨床報告

網膜剥離に対する強膜折込み術の一変法

著者: 塩田洋1 久保賢倫1 中沢昭1

所属機関: 1徳島大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1157 - P.1161

文献概要

 網膜剥離に対する強膜折込み術の一変法について述べた。その術式は,従来の強膜短編ジアテルミー術とほぼ同じであるが,強膜への通糸法に工夫をこらした。すなわち両側に半層切開した強膜の一根部に通糸して内方に入り,同側根部から再び外に出す。この糸を対側の半層強膜へも同様に通糸し,ピンセットで両半層強膜を押し込みながら結紮すると,切開した強膜は全て眼球内へ折込まれる。本法で手術した裂孔原性網膜剥離は,29眼のうち27眼(93.1%)において網膜の復位が得られた。本法は,
 1)強膜半層切開の幅を自由に広げられる。
 2)強膜折込み量を加減できる。
 3)硝子体中に高い隆起が形成される。
 4)硝子体牽引を軽減できる。
 5)陥入物は自己のものである。
 等の特微があり,裂孔が1象限以内の網膜剥離に対しては,適切な方法と思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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