文献詳細
臨床報告
Down's syndromeの眼科的管理
著者: 小原喜隆1 松田恭一1 門屋講司1 田沢豊1 鮎瀬征夫2
所属機関: 1岩手医科大学眼科学教室 2岩手医科大学小児科
ページ範囲:P.1325 - P.1329
文献概要
まず患者の生活環境を理解し,専門医との連携のもとに全身状態を的確に把握すべきである。その上にたって眼科的診察を丹念に,そして根気強く行うことである。その際特に留意することは,全身的にも局所的にも感染しやすい状態にあるので,感染による所見を早期に発見することである。眼局所では結膜や眼瞼のみならず,角膜の詳細な観察が必要である。視神経の炎症様所見も見逃してはならない。視力障害の進行因子と考えられる屈折異常については屈折度の測定を,また白内障についてはその進行程度の観察を定期的に行い,屈折異常に対しては眼鏡の装用を,白内障が進行した場合には手術を積極的に行うべきであると考える。
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