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臨床報告
糖尿病性網膜症者の中心フリッカー値について
著者: 新美勝彦1 平岩紀子1
所属機関: 1名古屋保健衛生大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1705 - P.1710
文献購入ページに移動 糖尿病による視神経障害は比較的稀とされているが,検眼鏡的所見に比して視力の悪い例に時折り遭遇することから,その関与を検討する口的で,網膜症者の中心ブリッカー値を測定検討した。
対象は網膜症の合併のあった56例114眼で,ダイレクトフリッカー装置(日本キーラー社製)により測定した。この結果,螢光撮影により,乳頭より異常漏出のみられたものにブリッカー値の低下するものが多く,視力は0.1以上あってもフリッカー値が29Hz以下であったものが11.4%あった。経過観察の結果,乳頭面に異常螢光のあるもので,ブリッカー値が漸次低下するもののあったことから,循環障害による栄養障害がneuropathyに結びつき存在すると結論した。メコバラミン製剤を併用してその効果をみたところ,10Hz以上改善したものが10眼,10Hz以上低下したものが5眼観察された。
対象は網膜症の合併のあった56例114眼で,ダイレクトフリッカー装置(日本キーラー社製)により測定した。この結果,螢光撮影により,乳頭より異常漏出のみられたものにブリッカー値の低下するものが多く,視力は0.1以上あってもフリッカー値が29Hz以下であったものが11.4%あった。経過観察の結果,乳頭面に異常螢光のあるもので,ブリッカー値が漸次低下するもののあったことから,循環障害による栄養障害がneuropathyに結びつき存在すると結論した。メコバラミン製剤を併用してその効果をみたところ,10Hz以上改善したものが10眼,10Hz以上低下したものが5眼観察された。
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