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臨床報告
外斜視優位眼決定に関する他覚的方法—衝撃性眼球運動潜時測定法
著者: 斉藤喜代子1 野崎S・綾子1 藤山由紀子1 松本奈緒美1 石川哲1
所属機関: 1北里大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1711 - P.1718
文献購入ページに移動1)潜時・耳側への衝撃性運動で優位眼が短縮していたものは37例(92%),非優位眼が短縮していたものは3例(8%)であった。次に鼻側への衝撃性運動で優位眼が短縮していたのは22例(55%),非優位眼は18例(45%)であった。
2)速度・耳側への衝撃性運動で優位眼の速度が大きかったものは27例(67%),非優位限の速度が大きかったものは13例(33%),次に鼻側への衝撃性運動で優位眼の速度が大きかったものは18例(45%),非優位眼の速度が大きかったもの22例(55%)であった。
3)加速度:耳側への衝撃性運動で優位眼の加速度が大きかったものは23例(57%),非優位眼では17例(43%),鼻側への衝撃性運動で優位眼の加速度が大きかったもの16例(40%),非優位眼で24例(60%)であった。
以上から,耳側への衝撃性運動の潜時が優位眼で最も短いことがわかった。すなわち,成人外斜視患者の優位眼決定に関しては片側による耳側への10度衝撃性運動の潜時の短縮の認められる眼が92%以上の精度で優位眼であると決定できると結論された。
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