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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科35巻2号

1981年02月発行

文献概要

特集 第34回日本臨床眼科学会講演集 (2) 学会原著

水晶体偏位,毛様体上皮剥離を伴う網膜剥離について

著者: 井上暁二1 調枝寛治1

所属機関: 1広島大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.191 - P.195

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 水晶体偏位に毛様体上皮剥離を伴う網膜剥離の2症例の概要を報告した。
(1)本症の臨床的特徴として,若年者で鈍力外傷歴のある眼に,水晶体の鼻側偏位と耳側の虹彩・水晶体間に毛様体上皮剥離がみられ,耳側網膜に徐々に進行する扁平な剥離が認められた。
(2)本症の発生機序は鈍力外傷によって水晶体偏位,毛様体小帯の牽引とともに硝子体基底部の牽引が働いて毛様体上皮剥離を生じ,それにひき続いて網膜剥離が起こったものと考えられる。
(3)本症の治療は,毛様体上皮裂隙の完全な確認が困難であり,眼球全周に均等な力を加えて,水晶体偏位,網膜剥離の増強を防ぐとともに,裂隙を完全にblockできるencirclingが適当と思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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