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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科35巻2号

1981年02月発行

特集 第34回日本臨床眼科学会講演集 (2)

学会原著

狭隅角眼の前房深度,隅角所見と負荷試験について

著者: 玉田康房1 笹森秀文1 森敏郎1

所属機関: 1岩手医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.207 - P.213

文献概要

 前駆期原発閉塞隅角緑内障(PCAG)の診断上留意すべき検査所見を検討するため,前駆期PCAGの疑いのある症例に対し散瞳試験(MT)とprone position test(PPT)を行い,その結果と前房深度,隅角の広さ,虹彩周辺癒着(PAS)などとの関連性について検討した。対象は1.8〜2.7mmの浅前房とShaffer I,II度の狭隅角をもつが,視野と視神経乳頭に緑内障性変化のない50〜79歳(平均64.3歳)の50名100眼である。
 その結果,MTおよびPPTの陽性率はそれぞれ38%,および40%であったが,浅前房ほど,また狭隅角なほど負荷試験,ことにMTの陽性率が高かった。PASは40眼に認め,上側,鼻側の順に多かったが,PASのある眼のMTとPPTの陽性率はともに45%で,PASの無い眼の陽性率はMTが33.3%, PPTが36.7%であった。片眼PAS眼では,PASのない他眼に比し陽性率が高かった。年代によって負荷試験の陽性率には差はあまり無かった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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