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特集 第34回日本臨床眼科学会講演集 (その3) 学会原著
網膜静脈分枝閉塞症における網膜血管床閉塞—その発生条件と経時的変化
著者: 竹田宗泰1 田辺裕子1 木村早百合1
所属機関: 1札幌医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.367 - P.377
文献購入ページに移動(1)静脈分枝閉塞症における血管床閉塞状態(虚血型あるいは漏出型)は発症時に決定される。
(2)本症の血管床閉塞には動脈不全の一次的関与は考えられず,静脈の還流障害の程度に関係する。具体的には交叉部静脈分枝の閉墓程度が強く,かつその還流領域が広範なほど血管床閉塞が発生しやすい。
(3)血管床閉塞の過程は発病時網膜出血,浮腫の出現とともに丘細血管が閉塞し,その後末梢から病変部の細動脈,細静脈が長期にわたり進行性に閉塞することが多い。
(4)再疎通,網膜内血管新生は一般に静脈側から毛細血管レベルで発芽し,いずれも局所的に止まる。
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