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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科35巻3号

1981年03月発行

文献概要

特集 第34回日本臨床眼科学会講演集 (その3) 学会原著

網膜循環の研究—白線血管の臨床的検討

著者: 鈴木仁1 堀内二彦1 北川洋1 小林直樹1 富井純子1 常岡寛1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.379 - P.390

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 日常臨床上遭遇した網膜白線血管59症例について細隙灯眼底検査,螢光眼底検査などで詳細に観察し,次の結論を得た。
(1)網膜白線血管をその原因,臨床所見から先天性,視神経因性,血管閉塞性,血管炎性,網脈絡膜因性に分類した。
(2)網膜静脈分枝閉塞症にみられた白線静脈は,37眼中,34眼(92%)が,虚血型の網膜静脈分枝閉塞症に認められた。
(3)糖尿病性網膜症でみられた白線静脈は,網膜静脈分枝閉塞症のと同様なものか,または網膜循環障害末期に共通する周辺部網膜血管閉塞による白線血管であり,糖尿病性網膜症特有の白線血管はなかった。
(4)網膜動脈閉塞症の白線動脈は,その動脈が毛様動脈系からの側副血行路成立の有無により臨床像に相異がみられた。
(5)動物実験として,カニクイザルの網膜中心動脈閉塞症モデル,ラットの網膜静脈分枝閉塞症モデルを作製し,臨床上みられる白線血管について考按した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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