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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科35巻3号

1981年03月発行

文献概要

特集 第34回日本臨床眼科学会講演集 (その3) 学会原著

中心性滲出性脈絡網膜症にみられる新生血管の特徴

著者: 渡辺千舟1 中西紀典1 丸山俊郎1 中山周介1

所属機関: 1大阪医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.391 - P.397

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 14歳から50歳までの中心性滲出性脈絡網膜症39例39眼(男16眼,女23眼)を対象として高速連続螢光撮影を施行し,その早期像から新生血管網の大きさ,起始血管層との関係について検討し,次の結果を得た。
(1)新生血管網の大きさは,1/3PD未満7眼(18.0%),1/3PD以上2/3PD未満21眼(53.8%),2/3 PD以上1PD未満9眼(23.1%),1PD以上2眼(5.1%)であった。すなわち2/3PD未満が28眼(71.8%)を占め,本症にみられる血管網は小さいものが多いことがわかった。
(2)新生血管の起始部は脈絡膜血管層のうち,脈絡膜動脈が9眼(23.1%),毛細血管前細動脈が24眼(61.5%),毛細血管板起源は6眼(15.4%)であった。この結果より,新生血管はどの層からも発生するが,毛細血管前細動脈が最も多いことが判明した。
(3)脈絡膜動脈,毛細血管前細動脈から起始する新生血管網の大きさは区々であるが,前者では2/3PD以上,後者では2/3PD以下が多く,脈絡膜毛細血管板からは2/3DP以上のものが認められなかったことから,起始血管と血管網の大きさとに関係があると推定された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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