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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科35巻3号

1981年03月発行

文献概要

特集 第34回日本臨床眼科学会講演集 (その3) 学会原著

高血圧を伴った動脈硬化症,糖尿病性網膜症,網膜静脈閉塞症における脂質動態—とくにHDL-CHについて

著者: 石川隆1 樋渡正五1

所属機関: 1防衛医科大学校眼科

ページ範囲:P.399 - P.406

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 高血圧を伴った動脈硬化症,網膜静脈閉塞症,糖尿病性網膜症,各群はコントロール群に比しHDL-C値,HDL-C/T-cholは共に有意に低下した(p<0.01)。
 糖尿病性網膜症をScott III期を中心に軽症,中等症,重症に分類すると各群でコントロール群に比しHDL-C値は有意に低下した(p<0.01)。また中等症・重症は軽症に比し明らかに低値を示す傾向を認めた。
 血糖コントロール別ではHDL-C値,HDL-C/T-cholはコントロール群に対し各群とも有意差をもって低下したが(p<0.01),good群とpoor群の両者に有意差は認めなかった。
 糖尿病のみの群においても,コントロール群に比しHDL-C値,HDL-C/T-cholは共に有意差をもって低下し(p<0.01),高血圧あるいは細動脈硬化を合併すると,さらに低下する傾向がみられた。
 コントロール良好の患者でも治療に抵抗して反復出血を来たす症例ではHDL-C値が著しく低値を継続した。
 以上よりHDL-C値の動態を見ることにより糖尿病性網膜症の発症,進展の指標とすることができ,臨床的に応用されうる価値があると示唆される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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