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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科35巻3号

1981年03月発行

文献概要

特集 第34回日本臨床眼科学会講演集 (その3) 学会原著

網膜疾患のFoveal Flicker Sensitivity Function

著者: 萱沢文男1 山本敏雄1 糸井素一1

所属機関: 1京都府立医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.419 - P.425

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 視覚系の時間周波数特性(Foveal Flicker Sensitivity Function:以下FFSFと略す)を光学的手法を用い綱膜疾患患者106名を対象として測定し下記の結果を得た。
(1)網膜疾患患者の異常FFSFは,正常眼において平均網膜照度を変化させて測定した結果と類似し,その特徴的パターンよりA)高周波低下型,B)高・中間周波低下型,C)全周波低下型の3型に分類された。
(2)多くの症例では,中心視力とFFSFは相関を示したが,視力良好な中心性網膜炎,原田病・裂孔原性網膜剥離復位後,網膜静脈分枝閉塞症光凝固術後などでは,両者の解離がみられた。
(3)中心フリッカー値は,高周波低下型では,FFSFの異常パターンとよく相関するが,高・中間周波低下型,全周波低下型では,中心フリッカー値よりFFSFの図形を推定するのは,困難であると思われた。
 以上よりFFSFは,従来の視機能検査と共に黄斑部機能を評価する方法として有用であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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