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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科35巻3号

1981年03月発行

特集 第34回日本臨床眼科学会講演集 (その3)

学会原著

光凝固療法無効の糖尿病性網膜症に関する検討

著者: 福田雅俊1 山田義一1 月本伸子2 雨宮禎子3 本田正志3

所属機関: 1琉球大学保健学部付属病院眼科 2虎の門病院眼科 3東京女子医科大学糖尿病センター

ページ範囲:P.471 - P.476

文献概要

 全身管理の的確な70例(103眼)の増殖型網膜症に対する選択的光凝固の効果と,それに相関する眼底所見を統計的に検討し,さらにそのうち無効と判定された19眼にその後経験された光凝固無効例19眼を加えた38眼につき光凝固無効眼に共通の眼底所見を調査し次の結論を得た。
(1)選択的光凝固のみでも82%(不変29%を含む)の治療効果が得られた。
(2)乳頭に連らなる新生血管ならびに乳頭浮腫を伴う網膜症は,選択的光凝固では有意に無効となるものが多い。
(3)汎網膜光凝固を加えた光凝固療法でも無効となった症例には上記の所見を持つものが多い。
(4)網膜の広範な浮腫と静脈系の著しい拡張も,その前駆所見として警戒すべきである。
 したがって(2)(4)の所見を持つ網膜症には,早期より汎網膜光凝固を実施すべきであるが,他のものは選択的凝固のみでも十分な効果が期待できると推論した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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