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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科35巻4号

1981年04月発行

文献概要

特集 第34回日本臨床眼科学会講演集 (その4) 学会原著

硝子体出血治療の基礎的検討と線溶療法

著者: 金恵媛1 新林広子1 阿部真知子1 朝岡勇1 宮永嘉隆1

所属機関: 1東京女子医科大学第二病院

ページ範囲:P.527 - P.533

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 我々は硝子体出血に対する線溶療法としてウロキナーゼ(以後U.K.)を使用し,まず全身投与では13症例に1回量6,000〜6万I.U.のU.K.を静注,点滴静注し,7例に視力改善を認めた。一方局所注入療法では12症例に1回量24,000 I.U.のU.K.を硝子体内注入し,8例に視力改善を認めた。術後合併症として,一過性の虹彩炎,前房蓄膿が出現したが緑内障は認めなかった。また,1例に網膜剥離を認めたが,これが手術操作によるものか否かは断定できない。U.K.投与による血液の線溶能,凝固能に特記すべき変動はみられなかった。ウサギを使用した動物実験では対照群と比較して,U.K.投与群では,人工的硝子体出血の明らかな吸収過程の促進が認められた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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