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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科35巻4号

1981年04月発行

文献概要

特集 第34回日本臨床眼科学会講演集 (その4) 学会原著

重症糖尿病性網膜症に対する広汎光凝固療法の効果と障害,および適応について—1.効果と適応

著者: 浦口敬治1 内藤智子1

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.541 - P.550

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 重症糖尿病性網膜症に対して広汎光凝固を行い,6ヵ月以上経過観察した47例76眼の成績は以下の通りであった。
(1)全症例の68.2%に有効であり,とくに前増殖期の症例や網膜新生血管のみがみられた症例には著効がみられた。(2)光凝固を短期間に完了した症例がより有効であった。(3)硝子体出血例,巨大な新生血管を有した症例には効果は不確実であった。
 このような成績にもとづいて,広汎光凝固の適応として,(1)前増殖期の症例や綱膜新生血管のみがみられる症例でも,毛細血管床閉塞領域が広い場合や他眼がすでに増殖性病変を示している時には適応がある。(2)乳頭上新生血管がみられる増殖型網膜症は絶対的適応がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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