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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科35巻4号

1981年04月発行

文献概要

特集 第34回日本臨床眼科学会講演集 (その4) 学会原著

Forced duction testの定量化の試み

著者: 深道義尚1 稲富誠1 杉田達1 高橋春男1 小沢哲磨1

所属機関: 1昭和大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.577 - P.581

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 Blowout fractureの病態生理を解明する目的で,forced duction testの定量化のための器械を試作した。試作器械は張力および偏位を測定する二つのtransducerの組合わせからなり臨床的に使えるようにいくつかの工夫がなされた。forced duction testに伴う張力(抵抗)は張力—偏位曲線としてX-Yレコーダー上に記録された。対象はblowoutfracture眼7眼と正常眼8眼で,testはすべて全,身麻酔下に下直筋付着部を絹糸で上転方向に牽引する方法で行われた。正常眼の偏位5mm,10mmでの平均張力は各々9.7±2.2g,30.8±6.8gで,平均値の曲線はY=0.39X2−1.0X+3.44に近似された。blowout fracture眼の偏位5mm,10mmでの平均張力は17.6±8.4g,62.9±20.3gであった。曲線のたちあがりを示す二次係数の平均値は正常限では0.39,blowout fracture眼では0.82で,これは手術により0.6に減少した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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