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特集 第34回日本臨床眼科学会講演集 (その4) 学会原著
上斜筋麻痺の手術療法に関する研究—第1報優位眼側とBielschowsky頭部傾斜試験成績を中心とする上斜筋麻痺の手術療法についての考察—とくに臨床成績について
著者: 市川理恵1
所属機関: 1岡山大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.611 - P.620
文献購入ページに移動 過去7年間に手術を行った片眼性上斜筋麻痺45名(年齢2〜21歳,平均5歳)を優位眼側により分類し,眼位ずれ,頭位の異常,Bielschowsky頭部傾斜試験(B.H.T.T.)の成績を目標にして,術後1年から7年(平均3年6ヵ月)をわたり検討し,つぎの結論を得た。
(1) B.H.T.T.において,麻痺眼側への頭傾時に麻痺眼が上ひきになるのは,主として,上直筋の働きによることが臨床例で確認された。
(2) B.H.T.T.は,上斜筋麻痺において重要な診断的意義をもつのみならず,頭位異常などの術後の効果判定にも役立つことが判明した。
(3)上斜筋麻痺は優位眼を目標にして分類し,B.H.T.T.の成績とあわせて,その手術適応を考える必要がある。
(1) B.H.T.T.において,麻痺眼側への頭傾時に麻痺眼が上ひきになるのは,主として,上直筋の働きによることが臨床例で確認された。
(2) B.H.T.T.は,上斜筋麻痺において重要な診断的意義をもつのみならず,頭位異常などの術後の効果判定にも役立つことが判明した。
(3)上斜筋麻痺は優位眼を目標にして分類し,B.H.T.T.の成績とあわせて,その手術適応を考える必要がある。
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