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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科35巻4号

1981年04月発行

文献概要

特集 第34回日本臨床眼科学会講演集 (その4) 学会原著

閾上値空間コントラスト伝達特性の測定と眼科臨床への応用—視神経疾患についての検討

著者: 田上勇作1 諌山義正1 桝見和孝2 坊博3

所属機関: 1神戸大学医学部眼科 2神戸大学教育学部 3神戸大学工学部

ページ範囲:P.621 - P.627

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(1)マイクロコンピューターで制御されるTVシステムを用いて閾値および閾上値での空間コントラスト伝達特性を,正常例,視神経疾患症例について心理物理的に測定した。
(2)正常例での閾上値空間コントラスト伝達特性は閾値レベルで得られるBand-passfilter型を示さずLow-pass filter型を呈した。
(3)視神経疾患症例での閾上値空間コントラスト伝達特性は,低域上昇・高域低下型,平担型,低域低下・高域上昇型の三つのタイプが認められ,それぞれ視野における中心部感度低下,中心部と傍中心部の同程度の感度低下,傍中心部感度低下に対応していた。
(4)以上の結果より,空間周波数の低域処理系と中高域処理系の存在を推定し,両者の相互抑制作用を考慮することで視神経障害時の空間コントラスト伝達特性の異常を説明することができた。
(5)閾上値を用いた空間コントラスト伝達特性の測定は各種疾患のパターン認識,コントラスト視を解明する上で臨床的に極めて有用であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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