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臨床報告
老人にみられる滲出性網膜血管症
著者: 湯浅武之助1 多田玲1 下村嘉一1 山本保範1 中川やよい2
所属機関: 1大阪府立羽曳野病院 2大阪逓信病院
ページ範囲:P.679 - P.684
文献購入ページに移動(1)本症は60歳以上の老人にみられ,女性に多い傾向があった。
(2)本症の眼底所見は透過性亢進を伴う網膜血管炎・硬性白斑・滲出斑・出血・小血管瘤・macroaneurysm・動静脈吻合・硝子体病変などであり,病変は網膜全体に及び,特定の分枝領域に限局することはなかった。
(3)臨床的にはCoats病と類縁関係があり,本症の発病においては老人性血管変化が何らかの役割を果たしていると推測された。
(4)糖尿病性網膜症・円板状黄斑変性症・網膜静脈分枝閉塞症・網膜静脈(周囲)炎・その他の網膜血管炎などとの鑑別が必要であった。
(5)治療には光凝固法がもっとも適当であると考えられた。
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