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特集 第34回日本臨床眼科学会講演集 (その5) シンポジウム 超音波の眼科的応用
眼科の超音波診断とその装置
著者: 太根節直1
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.715 - P.732
文献購入ページに移動 一般にAモード法は眼球の計測や眼球内および眼窩内病変の詳細な組織鑑別に有用で超音波診断法の基本となり,Bモード法はこれらの眼疾患の断層映像の把握による診断の確立という面で応用される。特に両法とも軟部組織の描写に優れているので,光学的検査法,およびX線検査法の短を補い,かつそれらとの併用により,眼科における第3のルーチンの検査法となりつつあり,さらに今日日常臨床面でのより一層の装置と診断法の改善と普及が望まれる。また眼内血流の動的解析に,Mモード法とドップラー法は非観血的観察法として優れているので,今後の発展が期待される。眼部断層像の精密診断には,水浸法Bモード装置が形態描写と内部エコーの検出に優れ,スクリーニング検査には直接法Bモード装置が簡易迅速なために有用性を発揮する。特に著者らが最近開発した新高解像度眼科用超音波診断装置は,分解能と操作性に優れ,眼科臨床上有用であった。
また,過去15年間(1966〜1980)における総検査症例5,386例中,超音波による診断適中率は,網膜剥離96%(818/852例),網膜芽細胞腫89%(50/56例),眼内,ならびに眼窩腫瘍ならびに眼球突出例92%(569/618例)であった。これらの諸検査には規格化(標準化)された出力装置と探触子が使用された。
また,過去15年間(1966〜1980)における総検査症例5,386例中,超音波による診断適中率は,網膜剥離96%(818/852例),網膜芽細胞腫89%(50/56例),眼内,ならびに眼窩腫瘍ならびに眼球突出例92%(569/618例)であった。これらの諸検査には規格化(標準化)された出力装置と探触子が使用された。
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