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特集 第34回日本臨床眼科学会講演集 (その5) 学会原著
都市近郊農村における結膜嚢内細菌叢およびその薬剤感受性について
著者: 石橋康久1 八木孝1 打越敬子2 平沢博2 酒井健次2
所属機関: 1土浦協同病院眼科 2土浦協同病院中央検査科
ページ範囲:P.733 - P.739
文献購入ページに移動(1)健常結膜より細菌が検出されたものは57症例(57劣),病的結膜より細菌が分離されたものは58症例(58%)であり,いずれも従来の検出率とほぼ一致するものであった。また健常結膜と病的結膜の検出率には差がないものと考えられた。
(2)健常結膜より分離された菌はStaph.epidermidisが43株(58.9%)と最も多く,次いでMicrococcus 12株(16.4%)であった。病的結膜からは,やはりStaph.epidermi—disが26株(34.7%)と最も多く認められたが,健常結膜に比較してその割合は減少していた。次いでStaph.aureus 13株(17.3%),α—Streptococcus 10株(13.3%),Hemophilus9株(12.0%)の順に検出された。正常細菌叢を考慮すると,Staph.aureus,α—Streptococcus,Hemophilusの3種の細菌が,土浦地方における細菌性結膜炎の主たる原因菌であることが示唆された。
(3)分離された細菌の各薬剤に対する感受性は,従来の報告に比較して良い傾向を示していたが,これは当地方における特色と思われた。
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