icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科35巻5号

1981年05月発行

文献概要

特集 第34回日本臨床眼科学会講演集 (その5) 学会原著

結膜アレルギーとヒスタミン

著者: 多田玲1 湯浅武之助1 下村嘉一1 山本保範1

所属機関: 1府立羽曳野病院眼科

ページ範囲:P.747 - P.752

文献購入ページに移動
(1)誘発前の涙液ヒスタミンは,健常者は1.6±6.8ng/ml,アレルギー性結膜炎3.7±1.5ng/ml,春季カタル4.8±5.1ng/mlで,健常群とアレルギー性結膜炎との間にp<0.005で有意差を認めた。抗IgE点眼15分後の涙液ヒスタミンは,健常群2.1±1.7ng/mlアレルギー性結膜炎5.0±5.1ng/ml,春季カタル6.2±4.8ng/mlで,健常群に比し,アレルギー性結膜炎ではp<0.05で,春季カタルではp<0.02で有意差を認めた。アレルギー性結膜炎と春季カタルの間には有意差はなかった。
(2)ヒスタミン点眼後の充血に関しては,健常群に比しアレルギー性結膜炎では1%,春季カタルでは2%以下の危険率で,結膜の過敏性亢進が認められた。アレルギー性結膜炎と春季カタルの間には有意差はなかった。
(3)ヒスタミン点眼後の掻痒または眼痛に関しては,健常群に比しアレルギー性結膜炎では,0.5%以下の危険率で,結膜の過敏性が亢進していた。春季カタルでは健常群との間に有意差を認めなかった。またアレルギー性結膜炎と春季カタルの間に有意差はなかった。
(4)血清ヒスタミン固定能は,アレルギー性結膜炎,春季カタルとも,P<0.005で有意に低下していたが,アレルギー性結膜炎と春季カタルの間では差が認められなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?