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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科35巻5号

1981年05月発行

文献概要

特集 第34回日本臨床眼科学会講演集 (その5) 学会原著

Iris Medallion Lens挿入眼の長期観察結果

著者: 西興史1 植村恭子1 西素子1 細川久子1

所属機関: 1西眼科病院

ページ範囲:P.821 - P.828

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 1975年12月〜1979年6月までにiris medallion lensを挿入した68人75眼について合併症を中心として統計的観察を行った。特に臨床的に重篤な合併症は,緑内障1眼と,角膜内皮ジストロフィーの4眼の内3眼,縫合糸が切れてレンズが完全脱臼した1眼,計5眼に生じた。しかしpilocarpinの点眼,レンズの除去,縫合糸の抜去により全例視機能は,大きく損われずにすんだ。脱臼は非常に高頻度(21.3%)に起きたが,非観血的に復位できた。60歳未満の合併症の発生率は非常に高頻度であり,従来よりいわれている,挿入は60歳以上の原則が厳守されねばならない。晩期合併症を防ぐのに重要なことは,確実なレンズの固定である。レンズの固定は嚢外法後,ループと後嚢を癒着させる方法がより確実,強固であると思われる。lris medallion lensは,この点に関して,大きすぎ,重すぎるので不適である。また60歳以上でも,合併症の発生は,16%と高頻度なので,筆者個人は,嚢外後はもちろん嚢内摘出後にiris medallion lensを使用することは,2度と行わない。既に挿入されたものについては,今後,脱臼,レンズ縫付糸の自然切断,角膜内皮ジストロフィーの発生に関して,特に厳重な長期にわたる管理が必要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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