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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科35巻5号

1981年05月発行

文献概要

臨床報告

東京大学眼科のブドウ膜炎統計(1974年〜1977年)とベーチェット病患者の視力予後等について

著者: 伊澤保穂1 難波克彦1 望月學1

所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.855 - P.860

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(1)1974年から1977年までの東京大学眼科外来のブドウ膜炎(総数1,066名)のうちベーチェット病は17.6%,原因不明のブドウ膜炎12.9%,原因不明の虹彩炎9.4%,フォークト・小柳・原田病7.7%,サルコイドーシス5.6%,Glaucomato-cyclitic crisis 5.4%,原因不明の網脈絡膜炎4.9%がこれに次いだ。また増田型中心性網脈絡膜炎は24.1%であった。
(2)1973年から1977年までの東京大学眼科ベーチェット病患者152名の視力経過をみた。ベーチェット病患者全体では視力が0.1未満が発症後9年以上の80%を占め,女性患者では発症後11年でも視力0.1未満のものは20%以下であった。前眼部型では発症8年後でも視力が0.5以上が70%以上で,眼底型では20%以下であった。
(3)1973年から1977年までの東京大学眼科ベーチェット病患者209名の主な眼合併症は白内障35.6%,視神経萎縮15.2%,黄斑部変性13.4%,緑内障11.3% などであった。
(4)ベーチェット病の併発白内障の手術をした27名39眼の術式と合併症と術後6カ月以上経過観察した20名30眼の術後視力を検討した。最終的に視力改善をみたのは22眼であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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