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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科35巻6号

1981年06月発行

文献概要

特集 第34回日本臨床眼科学会講演集 (その6) 学会原著

視神経乳頭の先天性異常—Tilted discおよびsitus inversusの眼所見について

著者: 渡辺郁緒1 酒井寿男1 外山喜一1 大石貴子1

所属機関: 1浜松医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.969 - P.974

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 Tilted disc syndromeとよばれている視神経乳頭の先天異常の76眼(53症例)の眼症状の分析を行った。
 Tilted discは43眼にsitus inversusは33眼に認められ,両者を同一眼に明確に合併するものはごく少数であった。
 視神経乳頭の傾斜角度の測定では各症例は正常乳頭よりsitus inversusまで連続的に分布はしなかった。
 これらの異常は片眼性のものが両眼性のものより多く,1眼tilted disc,他眼situs inver—susの例は4症例(8%)であった。
 屈折異常:Tilted discではほとんど全例近視ないし近視性乱視であり,situs inversusでは近視〜遠視と一定の傾向を示さない。
 視野異常:Tilted discでは56%, situs inversusでは48%をこ認められ,refraction scotoma様所見はtilted discにのみ14%に認められた。
 Tiltld discでの視野異常は眼底下方の網膜色素上皮〜脈絡膜の異常によることが,検眼鏡所見,螢光限底写真よりうらづけされた。EOG所見もこの事実とよく一致する。situsinversusでの視野の異常の説明は,今回の調査結果よりは出なかった。Conusやnasalectasiaと視野異常との問に密な関係は見出されなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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