文献詳細
文献概要
特集 第34回日本臨床眼科学会講演集 (その6) 学会原著
視神経乳頭の先天性異常—Tilted discおよびsitus inversusの眼所見について
著者: 渡辺郁緒1 酒井寿男1 外山喜一1 大石貴子1
所属機関: 1浜松医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.969 - P.974
文献購入ページに移動Tilted discは43眼にsitus inversusは33眼に認められ,両者を同一眼に明確に合併するものはごく少数であった。
視神経乳頭の傾斜角度の測定では各症例は正常乳頭よりsitus inversusまで連続的に分布はしなかった。
これらの異常は片眼性のものが両眼性のものより多く,1眼tilted disc,他眼situs inver—susの例は4症例(8%)であった。
屈折異常:Tilted discではほとんど全例近視ないし近視性乱視であり,situs inversusでは近視〜遠視と一定の傾向を示さない。
視野異常:Tilted discでは56%, situs inversusでは48%をこ認められ,refraction scotoma様所見はtilted discにのみ14%に認められた。
Tiltld discでの視野異常は眼底下方の網膜色素上皮〜脈絡膜の異常によることが,検眼鏡所見,螢光限底写真よりうらづけされた。EOG所見もこの事実とよく一致する。situsinversusでの視野の異常の説明は,今回の調査結果よりは出なかった。Conusやnasalectasiaと視野異常との問に密な関係は見出されなかった。
掲載誌情報