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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科35巻6号

1981年06月発行

文献概要

臨床報告

視神経管開放術を施行した大理石骨病の1例

著者: 後長道伸1 近藤和義1 調枝寛治1 迫田勝明2 魚住徹2

所属機関: 1広島大学医学部眼科学教室 2広島大学医学部脳神経外科学教室

ページ範囲:P.1043 - P.1049

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 視神経萎縮を呈した大理石骨病の1症例に対して,視神経管開放術を施行した。症例は2歳10カ月の男子で,2歳頃までは日常の行動に不自然はなく良くみえているようであった。2歳6カ月頃より,左眼が外斜し,また物によくぶつかるようになり,両眼の著しい視力障害がうたがわれた。頭部レ線では,頭蓋底の骨硬化,肥厚が強く,視神経管は著しく狭小化を示していた。両眼の軽度の眼球突出と視神経乳頭の著しい蒼白化が認められたが,瞳孔対光反応およびERGがほぼ正常であったことから,1980年2月7日前頭開頭下に両視神経管開放術を行った。術後2週頃より物をみつめる動作がみられるようになり,また母親の観察によれば自宅周囲の道は確認しながらひとり歩ぎができるようになったことから,一応の効果をあげたものと推測された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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