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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科35巻6号

1981年06月発行

GROUP DISCUSSION

緑内障(第22回)

著者: 澤田惇1

所属機関: 1宮崎医大

ページ範囲:P.1061 - P.1065

文献概要

〔主題〕緑内障手術の合併症
I.虹彩切除の合併症
(総説)
 虹彩切除術の合併症を早期合併症と晩期合併症に分けてみると,早期合併症には球後出血,前房出血の一部,感染,虹彩の解離,デスメ膜剥離,外傷性白内障,硝子体脱出,濾過瘢痕の形成,浅前房とそれに伴う脈絡膜剥離等があり,これらは十分な注意,手技の向上により予防ができる。しかし前房出血のあるものは虹彩に血管がある以上さけられない。純性小眼球症におこった閉塞隅角緑内障に対する虹彩切除術後には高頻度に脈絡膜剥離や無裂孔性網膜剥離が発症する。これに対する予防法も的確な治療法もないのが現状である。悪性緑内障も予防困難であるが,その発見が早く迅速にアトロピン点眼を行い,さらにはチャンドラーの方法による硝子体吸引,前房内空気注入を行えば,多くの場合事態は収拾できる。しかしそれでも無効な場合がある。
 晩期合併症は,まず虹彩後癒着が多発する。特に炎症を伴った緑内障や,術後にピロカルピン点眼を必要とするような眼に頻度が高くなる。予防的虹彩切除術後でも10%をこえる割合でみられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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