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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科35巻7号

1981年07月発行

特集 第34回日本臨床眼科学会講演集 (その7)

学術展示

Neovascular maculopathyにおける脈絡膜新生血管像の臨床的研究

著者: 出口強1 石川清1

所属機関: 1千葉大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1119 - P.1131

文献概要

 特別な原因の判明していないneovascular maculopathy (N.M.)の症例につき,50歳を境とし,若年例20例20眼,老人性26例29眼につき螢光眼底造影所見を中心に検討し次の結果を得た。
 N.M.活動期病巣における脈絡膜新生血管像について次の3型に分類を試みた。①毛細血管型……a) loop pattern, b) plexus pattern, c) irregular pattern,②紐状血管型,③出血性網膜色素上皮剥離型。
 老人例N.M.と若年例N.M.では,脈絡膜新生血管像の分類に相違があることが判明した。若年例N.M.では,60%がloop patternを,40%がplcxus patternを示し,老人例N.M.では44.8%がirrcgular patternを,34.5%が出血性網膜色素上皮剥離型を示した。
 8カ月から3年(平均1年10カ月)経過観察できた若年例NM.13眼では,6眼(46.2%)は,脈絡膜新生血管の退縮により良好な視力を得,一方6眼(46.2%)は,脈絡膜新生血管の拡大,病巣の遷延により視力不良であった。前者の活動期の新生血管像はlooppatternを呈しており後者はplexus patternを呈していた。この知見は,若年例N.M.の臨床上,重要な知見と考えた。
 若年例N.M.20例中7例(35%)の後極部に2例(10%)に乳頭辺縁に類円形の網脈絡膜病巣を認めた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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