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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科35巻7号

1981年07月発行

文献概要

特集 第34回日本臨床眼科学会講演集 (その7) 学術展示

慢性左側内頸動脈閉塞の1例

著者: 小島道夫1

所属機関: 1県立ガンセンター新潟病院

ページ範囲:P.1171 - P.1177

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 59歳の男性が右下肢の脱力感,左浅側頭動脈の怒張,搏動と疼痛と左眼視力低下を初発症状とし,右側同名半盲,左眼虚血性網膜症および視神経症を発見され,以後順次左散瞳,左眼網膜中心動脈の自発搏動,虹彩rubeosis,網膜血管の血行途絶と網脈絡膜変性を起した。
 当初Urokinase点滴とsteroid内服により視力,視野と亢進していた血沈値の改善が見られたが,3カ月後の失明発作以後ほとんど回復を示さなかった。左眼の螢光眼底撮影で当初の腕・綱膜時間20秒,網膜循環時間26秒が3カ月後にはそれぞれ26秒と154秒に遅延していた。左眼の網膜中心動脈血圧は測定不能な程低かった。左側頸動脈写で内頸動脈始部の完全閉塞と外頸動脈から眼動脈への副血行路が認められ,右側頸動脈写では右内頸動脈に狭窄または閉塞はなく,前交通動脈を経て左側の前大脳動脈と中大脳動脈が十分に太く造影されたが,しかし網膜中心動脈閉塞が血管炎様な機転により起り,失明したと考える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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