icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科35巻8号

1981年08月発行

文献概要

特集 第34回日本臨床眼科学会講演集 (その8) 学術展示

網膜神経線維層の観察—第1報その分光特性による抽出法

著者: 難波克彦1 岩田和雄1

所属機関: 1新潟大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1275 - P.1281

文献購入ページに移動
 拡大立体カラー撮影,無赤色光フィルター撮影,同時立体カラー撮影(35mm)の三つの方法の網膜神経線維層欠損の抽出効果の評価を行った。拡大立体カラー撮影と無赤色光フィルター撮影との間に差はみられず,同時立体カラー撮影はそれらにやや劣る結果であった。年齢と網膜神経線維層欠損のみえ方との関係では高齢者になるほど識別しにくい傾向がみられた。
 拡大カラー写真上でBjerrum領域および網膜神経線維層欠損部の分光透過率を検討した。加齢とともに青,緑色光成分が減少し,赤色光成分の増加がみられた。網膜神経線維層欠損部ではこの三つの成分とも低下し,青,緑色光成分では年齢差は認められなかった。
 以上のことより高齢者の網膜神経線維層欠損の抽出には単にフィルター撮影のみでは不十分で,何らかの画像処理が必要と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?