臨床眼科35巻8号

1981年08月発行

特集 第34回日本臨床眼科学会講演集　（その8） 学術展示

青錐体系の視力とその臨床応用について（Ⅰ）

著者： 中井義秀¹ 大原孝和¹ 横山実¹

所属機関： ¹三重大学医学部眼科教室

ページ範囲：P.1295 - P.1299

　黄色光順応下（2,000 asb）で，広域青色フィルター（ピーク，450 nm）によるランドルト環投射を行い，青錐体視力（BCV）を測定した。このsuprathresholdの領域で計測されるBCVは，個体差，年代差の少ない安定した指標である。正常35眼のBCV平均値は0.16±0.03であるが，特発中心性脈絡膜症，網膜剥離，緑内障，網膜色素変性症などにおいて選択的に障害され，あるいは回復の遅延する傾向がある。